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移動中の電車の中では、たいてい本を読んで過ごしている。 本の世界にぐっと入り込める時は少々の移動距離でもあっという間だが、いつもそうなれる日ばかりではない。 はっとすると言えば、車内にも時々、はっとさせられる個性的な方が登場することもある。 私は、リュックを前に背負っていてよかったと思いつつ、突入スーツさんの背中を見送り本を読んでいた。ページをめくるついでに、ふと作業着姿のおじさんを見ると その時は、同じページを広げたまま、降りる駅に着いてしまった。 元気よくスタスタと歩いていく突入スーツさんを見ながら、あの人はあの人なりに真っすぐに生きているんだなと思った。ひとつの小説を読んだ後みたいな、ちょっと充たされた気持ちになった。 -2011.11月 |
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今年は、あまり入道雲を目にすることがなかった気がする。 カラッと揚げた天麩羅は美味しい。夏に食べるかき揚げは、夏休みの午後といった感じがして好きだ。 今でも、東京は時々揺れる。 仙台のジャズフェスに、2年ぶりに出演させてもらった。 上京した頃、年上の方から 今年の夏は、こんな感じだった。 -2011.9月 |
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ずっと吸っていたキャスターが生産中止となり、吸う煙草が定まらない「煙草ジプシー」の日々が続いていた。 先月、ジプシー音楽を奏でる▲s(ピラミッドス)と、銀座のイベントで共演した。 震災のあと、しばらくは料理の本しか読む気分になれず、図書館へ行っては片っ端からその関係のものばかり借りていた。普通に暮らすことを考えたら、まず、食べることに興味が走ったのだろう。 そんなこともあり、近頃は、若い時から書き溜めていた詩をパラパラと振り返っている。いったい、どんな言葉を書いていたのだろうと。 いまは、親父とかお袋などといった言葉は使わない。お父さん、お母さんしか言わないくせに。背伸びしていたのだろう。プププと恥ずかしくなった。 近頃、会う人会う人に こんなことを書いていたら、いきなり髪の毛を切りたくなった。 -2011.7月 |
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5月1日現在、髪が人生最長に伸びまくっている。特に、理由はない。 5年ぶりに、煙草をマイルドセブンに戻した。正しくは、戻さざるを得なくなった。 そんな喫煙室での演説を終えた、その翌日。 長くなってきたが、もう少し書きたい。 いろんなパターンを考えては、せめて5つくらい置いていて欲しかったと、キャスターより幾分きついマイルドセブンを吸いながら、時々フラッと傾いている。 -2011.5月 |
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ガムに困る日々が続いている。 しかし、物事には必ず終わりがやってくる。大切に噛んでいたその一箱も、とうとう全てなくなってしまい、代わりのものを探さなくてはいけなくなった。 しかし、終わりは突然やってくる。いつしか、店頭から「おやすみ前のキシリトール」は姿を消し、新たな紫色のキシリトールも台頭してこなくなった。私は途方に暮れて、キシリッシュを購入したりしてみたが、やはりしっくり来ない日々が続いていた。 そんな憂鬱な日々を送っていた今年の始めのこと。 そんな「おやすみ前のキシリトール」を巡る葛藤を抱えつつ、そういえば好むものはマイナー商品というか、あまり認知されていないものが多いことに気づいた。吸っている煙草しかり、好みのウィスキーしかり、何度も読み返す本もしかり。文房具も調味料まで。 2年ほど前の「私の隠居志願」というブログに、笹井宏之さんの歌集について書いたことがある。どこの本屋を探してもなく、やっとのことでインターネットで購入し、こんな素晴らしい歌集が何故店頭に並ばないのか、なんとかならないものかと嘆いていた。 しかし、私が目にした嬉しい記事とは、その笹井さんの歌集が異例の反響を呼び、相次いで発売されているとのことだった。 この勢いに乗って、いつの日か「おやすみ前のキシリトール」も、再び店頭に並んでくれないだろうか。 -2011.3月 |
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昨年の年頭に、「今年はお見合いをしたい」と張り切ってみたものの、まったくそんな機会もなく、人の結婚式の司会ばかりしていた。 『一つの作品を完成するとは、そこから制作のあとをすべて消し去ることである』 私は、意地っ張りな女性を案外好ましく思っている。 -2011.1月 |
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◆◆◆ 立川亮 エッセイ back number 2010 ◆◆◆